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一発合格者が語る英検1級対策〜ライティング編〜

どうも、You先生です。ここでは、英検1級に一発合格し、ライティングではほぼ満点だった私の体験を通して、ライティングの全体像とその対策についてシェアします。

実際に私が書いたライティング解答も載せておくので、ぜひご覧下さい。

英検1級のライティング問題について

英検1級のライティング問題は、独立した試験時間が与えられているわけではありません。「リーディング100分間」という大きな制限時間の中で、語彙パート・読解パート、そしてライティングパートをこなさなければなりません。

したがって、時間配分も大事になってきます。ちなみに、ライティングにかける時間は約30~40分が目安です。

1つのお題に対して200語〜240語程度のエッセイを書くことになります。

お題は政治、経済、科学、医療、文化・スポーツなどなど、広く社会全般の問題点について論じなさいというものです。

何が出題されるかは当日まで分からないので、様々な問題点についてある程度精通しておかなければなりませんが、出題されやすい分野はあるようです。

ちなみに、そういった出題傾向や対策の仕方は

がオススメです。

え?それは2次試験対策用じゃないの?

1次試験のライティング対策をしたいんだけど…。

実は、2次試験のスピーキングテストの出題内容と、ライティングの出題内容は同じと言っても過言ではありません。むしろ1次試験の段階からこの教材で勉強しておけば、ライティングの勉強がそのままスピーキングにも繋がっていくのでオススメなんです!

「英検1級面接大特訓」は、他の英検1級ホルダーも必ず勧める名著です。

確かにこのテキストは英文をある程度書ける人向けのテキストで、「使っている単語が難しい」「そんなに綺麗な文章は書けない」等の不満が出てくるかもしれませんが、ライティングの“中身”を整える上で非常に勉強になります。

社会問題について論じなさい、って「少子高齢化に対してどうするか?」とかでしょ?正直何書いたらいいかなんて分かんないよ…。

まさにそんな方にオススメなのが、「英検1級面接大特訓」なんです。このテキストのいいところは、各社会問題をカテゴリー別にして、関連する問題点をフローチャート形式でまとめてくれていたり、各諸問題に対する論点を整理してくれたり、と本当に至れり尽せりの構成なんですよ!

ぶっちゃけ私も「社会問題を論じろ!」なんて無理でしたし、恥ずかしながらむしろこのテキストで社会の問題点を勉強したと言ってもいいと思います笑

とにかく、難関とは言え実は結構な合格者がいるのが英検1級です。

私のような英語の講師じゃなくても、主婦の方や中学生・高校生(時には小学生まで!)でも頑張れば合格できる試験なので、まずはやってみましょう。

ライティングに必要なもの①:ハード面

これは英検に限ったことではありませんが、まとまったエッセイを書こうと思えば、ハード面とソフト面の双方を充実させる必要があります。

ハード面?ソフト面?ちょっと意味不明なワード使わないでください。

すみません、ハード・ソフトは、一度使ってみたかったんです笑。これから説明しますので許してください。

ライティングにおけるハード面とは、英文の型(テンプレート)のことです。

以下の画像をご覧ください。

これは実際の英検1級のライティング問題に必ず記載されている、いわゆるライティングの注意事項です。

3つ目の項目にStructure(構造)というのが書かれていますね?これがいわゆる“型(テンプレート)”であり、ライティングのハード面です。

日本語で小論文を書く時に聞いたことがあると思いますが、何か説得力のある文章を書こうと思ったときは、序論・本論・結論という3段構成を使うのが一般的です。

英語では、

序論=Introduction(導入)

本論=Main Body(説明・具体例など)

結論=Conclusion(結論)

と言われます。

英語のエッセイでは、「1段落に1つのテーマ」という原則があるので、最低でも3段落(Introduction→Body→Conclusion)が必要となります。

しかし、特に英検1級では、Main Bodyの部分は3点ぐらい述べる=3段落作るのが一般的なので、全部で5段落で構成するといいと思います。

この型(テンプレート)は、どのようなお題が出ても使えますし、基本的に変わらないものなので、私はこれをライティングのハード面だと認識しています。

こうした段落構成の仕方は、英検準1級以下の対策テキストにも書かれていると思いますが、私は以下のテキストをオススメします。

大学受験用のテキストですが、その分自由英作文の書き方が一から丁寧に書かれていて、「自由英作文というものをあまり書いたことがない」という人には特に役立つと思います。

私がこのテキストを押す大きな理由の一つは、実は別冊の使い勝手の良さです。

この別冊には

①論理構成のルール

②ディスコース・マーカー一覧

③自由英作文で使い勝手の良い暗唱例文集

がまとまって収録されています。

「自由英作文は苦手なんです」という人でも、この別冊を座右の書として勉強していけば、だれでも必ず自由英作文を書けるようになると言っても過言ではないでしょう。この別冊だけでも購入の価値ありです。

私はこのテキストを授業で実際に使ったりしてすでに勉強済みだったので、英検1級のライティングに際して“ハード面”を特に勉強することはありませんでした。

ライティングに必要なもの②:ソフト面

ライティングにおけるソフト面とは、出されたお題に対してどのような意見を提示して行くのか、というエッセイの内容そのものに関わるものです。

このソフト面に関しては、出されるお題に対してその都度説得力のある意見を複数出さなければならないので、勉強する範囲は非常に広範に亘りますし、対策をしていなければ1行も書けない、ということも普通にあり得ます。

特に、英検1級で論じるように要求されるお題は、日本語で論じるのも難しい高度な社会問題ばかりなので、これが英検1級の壁を高くしている一つの要因であるとも言えます。

ハード面では特に不安のなかった私でも、このソフト面は相当対策が必要であると腰を据えて取り掛かりました。私が長年英検1級から逃げていたのは、このソフト面の難しさも一つの理由でした笑。

しかし、ご安心ください。

さきほどご紹介した、「英検1級面接大特訓」を開けば、

・どのようなお題が問われやすいのか?

・そのお題に関して何が問題となるか?

・賛成であれ反対であれ、自分の意見に説得力を持たせる情報とは?

というのをとにかく網羅してくれているので、ライティングの“ハード面”が固まっている人は、このテキストを使うだけで“ソフト面”も固まっていきます。

ライティングの練習

ライティングの問題を解く際に、

「まず日本語を書いてそれを英語に翻訳する」

という手法をとる人がよくいますが、私はお勧めしません。

理由は以下の2点です。

①日本語を書いてから翻訳すると時間がかかりすぎる。

②日本語で文章を書くと必然的に難しい表現を使いがちなので翻訳できない。

結局、二度手間になるだけでなく、難しい日本語を英語にしようとして自らの首を絞めることになります。

じゃあ、どうすればいいの?

英語で文章を書くことに慣れることです。その際に「よく使う表現」というのをたくさん習得していくといいですよ。日本語でもそうですが、結局言語は「知っている表現」のツギハギをしているに過ぎません。

こうした「よく使う表現」を身につけていくのによいのが、先程ご紹介した

「英作文のトレーニング自由英作文編」です。

別冊の「暗唱例文集」を覚えていけば、ライティングで使える表現をたくさん身につけられます。

私のライティングの成績

私が本番で実際に書いた原稿を載せておきます。帰りの道中ですぐに復元したものなので、ほぼこの通りだと思います。

この文章で、ほぼ満点をもらえました。

素点CSEスコア
得点30点825
満点(32点)(850)
項目得点/満点備考
内容8点/8課題で求められている内容が含まれているか
構成7点/8英文の構成や流れが分かりやすく論理的であるか
語彙7点/8課題に相応しい語彙を正しく使えているか
文法8点/8文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか

以下、参考になれば幸いです。

TOPIC:Is space exploration worth the cost?

Space exploration might be considered useless because it seems to bear no direct relation with our everyday lives. This is why some people argue that the government should spend not on space development, but on more beneficial aspects, such as medicine or infrastructures. However, I for one think space exploration deserves its high cost for the following three reasons. (59 words)

First, space exploration will bring about tremendous improvement in science and technology. In the Cold War period, the United States and the Soviet Union were competing with each other for the development of space technology. In this process, scientists and engineers made every effort to broaden the boundaries of their knowledge and produce what had been imagined impossible before. These advancements in science and technology have brought more benefits than we expected to other various fields, leading to the enhancement of our everyday lives. (84 words)

Second, the space development can boost the world economy. For example, even a single spaceship consists of a lot of parts, each of which is very expensive. Even the exchanges of these products will stimulate the economy worldwide. Furthermore, a lot of workers are involved in the process of designing, manufacturing, and trading these products. Workers themselves also can benefit from the initiative of space exploration. (67 words)

Last, a lot of nations will cooperate, which can lead to world peace and stability. The study of the universe has the potential to realize the dream of making a unified world. (32 words)

For the reasons mentioned above, I think it is reasonable to invest in space exploration. (15 words)

Total:257 words

下書きなしで書き出したので、かなり頭でっかちになってしまい、なんとか紙面に収めた感じです。構成点のマイナスはそのせいだと思っています。また、語彙に関してはかなり平易な単語しか使えなかった為に減点されたのではないかと思います。

You先生

昭和生まれで純ジャパの現役予備校講師。かつては苦手だったリスニングとスピーキングを克服し、英検1級一発合格・TOEIC990点満点取得。